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*つらい・淋しい・そしてホラー(2008.9.29)



「この小説には、性格らしい性格をもつ人物はほとんど現れないし、劇的な対決も皆無に近い。というのは、ここに登場する人々の大部分が病んでおり、また得体の知れぬ巨大な力に翻弄される無気力な人形にすぎないからである」
 〜カート=ヴォネガット『スローターハウス5』 〜


「ローズウォーター財団です。なにかお力になれることは?」
 〜カート=ヴォネガット『ローズウォーターさんあなたに神のお恵みを』 〜


「死んだ人相手に キズついたってイミないのに
うまれるコトも 死ぬコトも どういうコトかしらないのに
してきたことの無価値さが
見捨てられたことが」
  〜ひぐちアサ『ヤサシイワタシ』 〜



今月号(11月号)の月刊アフタヌーンには、カラスヤサトシせんせフィギアのおまけつきということで、

2冊買い。

カラスヤサトシのキャラクターをフィギアにして欲しいと、何度も雑誌編集部に葉書を送ってきた私だ。
そこはかとない達成感がある。……笑うなら笑いたまえ。
(^_^;)
他には、『おのぼり物語』という単行本も出ていたので、購入。
こちらは、カラスヤせんせが専業漫画家になるために上京したころの実話を土台とした物語だ。
カラスヤサトシせんせは、ジャンルわけすると、ギャグ漫画家だ。だから、この漫画も一冊の単行本の半分くらいまで、ギャグ漫画として描こうとして、かなり苦労している。
連載が続く中で、あるとき、自分の上京体験をギャグ漫画として描くのをあきらめた、と、一読者の私は勝手に想像する。
せつない、つらい、思い出しただけで前に進むことができなくなる、これはお笑いなどとうてい機能しない、無理だ、ギャグ漫画になりようがない、とあるとき踏ん切りをつけ、作品の後半は描かれたのではないか、と私は推測する。
機能しないギャグが後退するかわりに、立ち上がってくるのは、それは、

「生きる悲しみ」だ。

サイバラせんせの『女の子ものがたり』や『上京ものがたり』にかなり接近してゆく。小説ならレイモンド=カーヴァーの短編にかなり近い。
うわっ、これはつらい、とても笑ってなどいられるものではない、それは、ギャグ漫画の顔つきをした、

ホラーだ。

(;゚;Д;゚;)
以下に紹介するのは、雑誌から切り抜いて大切に保管してあるものから2作品。カラスヤせんせが烏屋さと志名義で2001年に雑誌に発表したタイトルも
『遅れてきた癒し系 絶叫劇場』(2001)
です。



……。

ホラーだっ。

(^_^;)
著作権違反というなら削除します。だけど、いつまでたっても単行本化されないし、暫定的に紹介しておきます。


--☆---



さて。日本のホラーといえば、メディアの報道とアソウ新内閣になるわけだけど、さっそくきました。

中山国交相が「日教組ぶっこわす」発言でいきなり辞任。

===========================
大臣になって一番大事な仕事は、美しい古里と、安心・安全で住むことができる国土を子や孫たちにバトンタッチすること。今の日本を子供たちにこんな状態でバトンタッチしていいか。そういう強い気持ちがある。さまざまな犯罪が起こっている。あるいは親殺しとか。それは教育に問題があった。特に日教組。何より問題なのは「内心の自由に立ち入らない」と言って、道徳教育に反対する。何とか日教組を解体しなければいかんと思っている。小泉さん流に言えば「日教組をぶっこわす」。この運動の先頭に立つ思いでいる。
===========================

↑(毎日新聞)。
『非国民通信』さんならずとも、口から出る言葉は
「救いようがない」
しかないよな。
しかし。
「日教組は民主党の最大の支持母体」だから「解体しなければいけない」って、なにこれ? 政治家として最低限の民主的感覚も持ってないわけ? 21世紀になって、すごいのがいるもんだな、と。
(^_^;)
内容はもちろんだけど、言い方というのがまた、品がないと言うか、無惨きわまりないというか、公人としてまともな日本語も話せずに、大臣やるのか。
もう辞任だけど(笑)。






オメラス通信(2008.9.27)



「はたらけど はたらけど猶 わが生活 楽にならざり ぢつと手を見る」
  〜石川啄木〜


「人間の一生には、投機に手を出してはいけないときが二度ある。それができる余裕のないときと、それができるときが、すなわちそれだ」
  〜マーク=トウェイン『間抜けのウィルソン』〜


「この地球上に存在するすべての企業は、わが社を含めて持続可能ではありません。私は略奪者の自分を有罪に処すことにしました。私なりのやりかたでです。世間的には私は会社社長で現代の英雄と言える。でも本当の姿は違う。最初の産業革命は欠陥品でまったく機能しません。後世まで続かない間違った産業なのです」
  〜映画『ザ・コーポレーション』より
        レイ=アンダーソン〜



ネット上で、なんと、「世論調査陰謀論」が発生!

『世論調査は自民党に』

いや、「論」じゃなくて


本当の陰謀なんだけどサ。メディアを逆手にとった面白いアイデアじゃない?

民衆って、ホント、油断も隙もないですね。アソウさん?
(*^▽^*)


ようやく、京都で、映画『今夜、列車は走る』の上映が始まった模様。
今年度のナンバーワン映画をケン=ローチの『この自由な世界で』と争っている傑作なので、京都人はこの機会にぜひ
つーか、初日にはルイス=アルベルト=マルチーニ氏が来てたんだなあ。
映画でも描かれているような経済的どん底と、経済システムによる弱い者いじめのただなかにあって、それでも列車を走らせることに成功したアルゼンチン。
元気のでる映画ですよ。
少なくとも、映画館を出るまでは。
(^_^;)

痛みに耐えて日本の未来はバラ色……のはずだった、構造改革。

列車は走らなくなるどころか、脱線転覆。

コイズミさんは、ふてくされて辞めりゃあそれでいいかもしんないけど、途方に暮れるわしらは、これから、どうするんですかね。
私、もう、あえて、何も言いません。
各自、図書館でアーシュラ=K=ル=グウィンの『風の十二方位』という文庫本を借りてきて、そこに所収してある『オメラスから歩み去る人々』という短編を読み、じっくり考えていただきたい。
ちなみに、『オメラスから歩み去る人々』は、ウィリアム=ジェイムズへのル=グウィンの返答なのだった。

オメラスの繁栄は、どこからやって来るのか。
はっきり言って、わかりやすい物語じゃないけれど、「けっしてわかりやすくはない」ことからくるズシリとした「重たさ」というものがあるよ。

いつもお世話になっている『暗いニュースリンク』さんのところに、

「金融危機というビジネスチャンスでぼろ儲けした人リスト」

がアップされている。
『金融危機と業界報酬額メモ』
勝ち組は、あいかわらず勝ちまくっていたと。
おめでとう。


 



『ロボット小雪』が見た世界(2008.9.25)



「落ち葉を見て 散らかってるとは 思わないのは どうして?
公園のベンチに なにかのパンフが 置いてあって それが 置いてあるのではなく 捨ててあると 分かるのは どうして?」
  〜業田良家『ロボット小雪』〜


「なんで わかるんだろう これは散らかっていると
これは おかしいと
おばあちゃんは 寝ていたんじゃなくて 捨てられていた そんな気が するよ」
  〜業田良家『ロボット小雪』〜


「心を持ったからまわりの世界に 気がついたのです。
安らいだ気持ちの時に拓郎さんが いることを知った。
楽しい気持ちの時に広瀬さんの 存在に気づいた。
喜びを感じたときに友情を知った。
人とつながっていることを。
悲しみを感じた時、苦しんでいる 人がいることを。
怒りを感じた時、虐げられた人が いることを…」
  〜業田良家『ロボット小雪』〜



例によって体調が優れないので、ご報告だけ。
(;^-^ゞ
すっごく面白いマンガをみつけたんだよ。
『ロボット小雪』というマンガをタイトル買いで購入。これがすごかった。
よしりんの『わしズム』で連載を持っているような人が描いたとは思えない内容が、さらにセンスオブワンダーなのだ。
(^_^;)
体調が悪いので、手短に説明。
『ロボット小雪』の舞台は、感情のないセックス・ロボットを人間が所有する、そんな近未来。高校生の拓郎が所有するのは、旧型ロボットの小雪だった。……というのがおおまかな設定。

最初はちょっとエッチなSFラブコメのようで、期待外れだったのかな、と思いながら読んでいると、途中から様相が変わってくる。
ひとことで言うと、

『鉄腕アトム・青騎士編』と『蟹工船』と『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』がフュージョン

したような、素晴らしいテイストが味わえる。
なんて幸運なんだろう。

人の行動をトレースするロボットを所有するとはどういうことか。
所有されるロボットとは何なのか。
時間と経済の両面で厳しい制約を受けながら、消費活動の中でのみ、他者との差をつける、そのような暮らしの中で、旧型ロボットを所有する人間の疎外感は何なのか。

恋人ロボットとの、安全なゲームとしての刺激に浸りながらも、

人と差をつけたい。消費に飽きたりしたくない。疎外など想像もしたくない。
恋人を装うロボットを消費し続ける、お前はいったい何者か?
軽いギャグの連なりの中で、さまざまな問いが放り投げられ、所有し消費する人間たちとロボット小雪の問いかけがクロスオーバーするとき、より大きな問いかけが生まれる。

人間が人間であるとは、どういうことか?

そして、小雪は、自らの内面に“与える能力”を発見する。彼女が与えたものだけが、実在の証だ。
それは奉仕でもなければ、消費でもない。さまざまな問いかけの中から生まれた、新しい力だ。
一度目を開いた小雪は、以前の小雪に戻れなくなる。真理とはそう言うものだ。
小雪は、新自由主義との戦いの場へと出向く。壁に風穴を開けるために。
そこは、アトムが立っていた場所だ。
……。

ロボット小雪ベター版は鉄腕アトムの夢を見るか?


……心とは、何なのか。
理由などなくても、良いものと悪いものがわかるのは、なぜなのか?
できるだけ優しくありたいと、自分自身に願うのは、なぜなのか?
すべてに説明がつくわけじゃないけれど、ロボット小雪は宣言する。

「社会を変革します」
「貧富の差を なくすのです」
「情報は世界を変えます。それが真実の情報なら なおさら」

と。

 



逮捕・罰金・規制緩和(2008.9.22)



「一回金借りて、また借りたいと思ったら、連中は元々あんたのものだった金を、さらに高い金利をつけて貸してくれる。これが麗しき資本主義ってもんだ。忘れるなよ」
  〜マイケル=ムーア『どうするオバマ?失せろブッシュ』〜


「学校民営化、さらに民営化全般の支持者たちは、公的領域を民間の手にゆだねることは、現実にはしくじることもあるにせよ、理論的に正しいという。(略)金儲けの動機のおかげで、営利校では教師もより良い指導をし、管理者もより良い管理をし、企業も顧客である父兄、教師、教育委員会が求めたり必要としたりするものを提供する、というわけである。だから、「営利というインセンティブは学校に良い影響を与えられるのです」とフロムは説明する。たとえ、企業が「実際には、決算結果のことだけを考えなければならないにしても」」
  〜『ザ・コーポレーション』より
        脚本 ジョエル=ペイガン〜


「企業が人間に持たせたいと願う理想的な自己意識や価値観は、“自分は一体、いくつの企業によって作られたニーズを満たせるのか”、“そんなニーズを追求するために、どこまで借金できるのか”と問う人間です」
  〜『ザ・コーポレーション』より
        ノーム=チョムスキー〜



私は牛肉を食べない。プリオン食ってこれ以上頭がスカスカになったら大変だからだし、「アメリカ産牛肉は安全ですよ〜」なんて、バカにするのもほどがある、と思うからだ。
牛丼も食べない。ククレカレーもだめ。大好きなコンビーフもシャットアウト。
うがあああ! コンビーフの原材料が牛肉じゃなかったら!
和牛なら大丈夫、つったって、表示自体が当てにならないから、わけ隔てなく、いっさい食べないようにしている。
しかし、昨日の夕食に食べた豚ニラ炒め。

あの豚コマ、本当は偽装された牛肉だったんじゃないだろうな?

(^_^;)
冗談はよしこさん、ということにしておいて。

「事故米騒動」でテレビのコメンテーターが、

「民間(企業)なら。こんなこと(事故米騒動)は絶対に起きなかった」

てなことを言っていたんだけど、えーっと、ごめんなさい、三笠フーズって民間企業じゃなかったんでしょうか?
(^_^;)
いや、まあ、事故米を三笠フーズにカビカビお米を売ったのは農林水産省かも知れんが、それも含めて、

今やこの国の政府は、企業の不法行為をまったく制御できなくなっている

というのが根本的な問題なのではないでしょうか。
三笠フーズが自民党に献金をしていたのは、その証明になるんじゃないの?
「企業が好き勝手やったほうが経済は発展するんだよ〜」という掛け声のもとに、規制緩和しまくったら、コメが毒々モンスターになっていたと。
(^_^;)
そういう視点で日本という国の内部を眺めなおしてみると、まあ、すごい。
例えば、『世界の片隅でニュースを読む』さんのところで、朝日新聞の記事が紹介されていた。

========================
今日の参院厚生労働委員会の閉会中審査で、舛添要一厚生労働大臣は厚生年金の標準報酬月額改竄に社会保険庁の組織的関与があったことを認めた。以下、朝日新聞(2008/09/18 13:08)より。
========================

『世界の片隅でニュースを読む』さんの言うとおり、

この問題の背景には企業の社会的責任の欠如がある。「社会保険庁が」「官僚が」と言う前に、まずは滞納したり、数字をごまかしたりしていた企業こそ責められなければならない

じゃないかと思うわけ。
民間企業が利潤追求に専念できるように、政府のチェック機関は色々と見逃してさしあげると。
もちろんただじゃなくて、「見返り期待し、今日も親切」なわけなんだけどね。

(^_^;)
と、ここまで書いて、いや、しかし。
政府だって、「民間」の横暴をなんでもかんでも黙って見ているというわけではなかった。

街灯にポスター貼った容疑、映画監督がタイホ!

警視庁保安部のみなさま、「民間」取り締まり、ご苦労様です。
政府だって、お仕事をしているのです。
ある種の「民間」は、徹底的に取り締まり。
こういうのもあるよ。

鳥取砂丘に落書きで罰金30万円条例か?

(^_^;)
そのうちに、携帯電話の着メロで「インターナショナル」流しただけで、迷惑防止条例にひっかかって、その場で銃殺されたりするんじゃないだろうな?
(^_^;)
イヤミでも何でもなく、中国や北朝鮮の心配をしている場合じゃないと思う。
あ、例によって、いつものごとく、突然話が変わりますが、パラグアイでは、外来診療が無料になったそうですわ。お医者さんや看護師さんたちのお給料もアップする予定らしいし。
「そんなことをしたら、自由に儲ける権利が侵害される!」
というのが、日本政府の価値観だけどね。どんな自由だよ、と。
(^_^;)
何を規制し、何を緩和するか。パラグアイのひとたちに、いっぺん聞いてみたほうがいいかもしんない。

 



日本カチカチ山(2008.9.19)



「ハリケーンなんていらない
台風なんていらない
台風のしでかす恐ろしいことぐらい 俺たちは自分でやれるんだ」
  〜ベルトルト=ブレヒト『マハゴニー市の興亡』〜


「人を支配したがる人は、人を支配したがっているというその事実によって、人を支配するのにふさわしくない人である」
  〜ダグラス=アダムス『宇宙の果てのレストラン』〜


「貧困の悲惨さが自然の法則ではなく、我々の社会制度によって引き起こされているとしたら」
  〜チャールズ=ダーウィン〜



*政治芸能コイズミ劇場・現状まとめ*
思えば遠くへ来たもんだ。
(;^_^ A
「自分だけが幸せになれ!」という腐った根性につけ込まれた国民が、調子のいいことを言われてその気になって、突然なにもかもが行き詰まり、気づけば国を挙げてのホラー状態。
外交は無策、世界共同体から孤立、財源がないので社会保障費を切り詰めますの一点張り、雇用は日雇い、保険は不安定、医療は崩壊、年金はネコババ、食品は不当表示の見本市、工場は中国に移転、教師たちは学校から逃げ出し、それでも一部の人間は億万長者になった。
パートのおばちゃんをクビにしたかと思えば、日雇い労働者を奴隷のようにこき使ってグングンと業績を上げつつあるような企業に、勝ち組の皆さんは莫大な資金を投資したわけだ。
投機マネーで資源を独占!
「エネルギー危機? 食糧危機? 投資のチャンスぅぅぅぅ!」
誰もが大損をこいだわけではない、気が休まる話ですね。
(^_^;)
幸運だか成功だか、なんかそんなものを求めて船に跳び乗った人々は、何度も沈没を経験。水死をまぬがれた人々は確かに幸運!って喜べないよなあ。しかもずぶぬれ。焦げ付いたローンを証券化したものをばらまいて大儲けしたはいいが、あっというまに、にっちもさっちもいかなくなり、最後の手段、公的資金を投入。つまりは、ずぶぬれになったわしらの税金でしりぬぐいだわな。
種明かしは簡単、勝ち組丸に乗れるのはゴールド会員だけと最初っから決まっていたんだって。すげえよな、「構造改革」。感激だわな、グローバリゼーション。
「市場速報」も「投資のチャンス・広告チラシ」も、大量の外れ馬券とともに大海原を形成し、その上をすべるように、勝ち組丸の未来のない航海が続く。いわゆる「成功」というやつだ。
なのに、また同じ泥舟に跳び乗る利口なわしら。
しかし、からくりに未だ気がついていないとはいえ、あなたも私もパンツ一丁でずぶぬれなのは確かだ。
誰も彼もがパンツ一丁で震えているだと? 大変だ〜っで、タリラリランのちーぱっぱ♪

財源確保に消費税をアップします!

(^_^;)
保守だろうがリベラルだろうが、右だろうが左だろうが、政治に興味があろうがなかろうが、現状を理解できてようがそうでなかろうが、とにかく、

国民という国民が怒髪天!

つーか、全泣き。
(T△T)
「自民党をぶっ潰す」
という公約を以前に掲げたコイズミさんだが、今や自民党をぶっ潰すどころか政府じたいが心肺停止状態。「構造改革」なるイメージ戦略も後退に次ぐ後退で、哀愁漂う総裁選やメディアのバックアップによる蘇生手術によって自民党を生き永らえさせるためのむなしいかけ声程度になってしまった。
「構造改革」で自民党復活! たよりになるカッコとした与党であり続けます!
ほんでもって、テレビ&新聞は国民に問いかける。

この国を仕切るのは誰なのか?

……この後におよんでまだそんなことを言ってるのかと。
(^_^;)
あのな〜、大切なのは、

私たちがどのように生きていきたいと願っているか、だろう?

外れ馬券の海で、勝ち組丸をぷかぷか浮かべてるような世界がいいんダ!って言うなら、まあ、それもよし。
ちなみに、選挙というのは、指導者を選ぶんじゃなくてわしらの代表を選ぶんですよ?
いや、今さらな話なんだろうけど、だんだん不安になってきたよ。
(;^-^ゞ

--☆


あ、突然に話が変わるんですが、相変わらず私の国籍やら民族籍を訊かれて、返答のしようもなく困っていたところ、私の心境を代弁するようなありがたいブログ記事をみつけたので、ご紹介しておきます。

ここで言及されている「否定論」とは、南京虐殺なかった論のことです。
「それでも地球は丸い!」
などと21世紀にもなって言わなければならない、そんなうんざりな現状にめげず、地道に発言し続けていることのえらさ。
(^_^;)
尊いです。
南京事件なんか、ぜんぜん興味ない、という人でも
[南京事件]じゃ、3分で読めるようにまとめましょう』

あたりは、かなり興味深く読めるんじゃないでしょうか?
こちらもご紹介しておきます。

 



反社会学で「なんだって〜!」(2008.9.16)



「●凶悪少年犯罪が近年急増したというのは、マスコミが捏造した世論です。
 ●戦後最もキレやすかったというのは、昭和35年の17歳です。
 ●凶悪少年犯罪の低年齢化というのも、ガセネタです。
 ●頑張れば頑張るほど、不況は悪化します。
 ●「働かざるもの食うべからず」は、明治以降に日本に輸入された言葉です。
 ●明治時代に、日本人は勤勉と奴隷労働の区別がつかなくなりました。
 ●江戸時代、江戸の町人の三〜四割はフリーターとして気ままに生きていました。
 ●イギリス映画はおもしろいです。
 ●出版不況の原因は、大人が新聞を読みすぎるせいです。
 ●命がけで本を読みましょう。」
 〜パオロ=マッツァリーノ『反社会学』まとめ抜粋〜


「嘘には3つある。普通の嘘、真っ赤な嘘、そして統計だ」
 〜マーク=トゥエイン〜


「米国やNATOの関係者は、傲慢のきわみで、繰り返しあけすけにこのことを認めている。アフガニスタンについて、英国のマイケル=ボイス国防参謀長は、「指導者を変えるまで爆撃が続くのだと、アフガニスタンの人々が自ら認識するまで」爆撃を続けると宣言した。
このような政策は、FBIによる国際テロリズムの定義に、まさにそのまま当てはまる」
 〜ウィリアム=ブルム『アメリカの国家犯罪全書』〜



南米のちっちゃな国、ボリビアで、アメリカ合衆国に裏から支援された暴動が勃発。
実際に暴動を起こしたのは、

「負け組から身ぐるみひっぺがしてもいい自由主義☆ボリビア奴隷工場大地主☆ドけちセレブ」

のみなさまだ。

♪助けあい社会の道を歩む人々から♪
♪新自由主義と米国絶対主義を守るため〜♪
♪みっつのシモベに命令だ〜 や〜♪
♪世界の憲兵 CIA〜♪
♪パンがないならケーキを食え 勝ち組一派〜♪
♪ネクラな恐怖政治 地元警察〜♪


えーと。自由と民主主義を守る、という看板をつけた、テロですね。
(^_^;)

早い話がクーデターだな。

南米諸国連合は、モラレス大統領と現体制の支持を表明。(選挙によって選ばれた体制を暴力によって転覆する勢力を支持するなんて普通しないわな→悪例1.米国 悪例2.Japan)
ブラジルは事態収拾のための代表団を派遣することを決定。
アルゼンチン、チリ、ベネズエラも、「テロの脅威から民主主義を守る」ための国境を越えた連帯を表明。
頑張れ! 中南米! チリ・アジェンデ政権の悲劇を繰り返すな!
米国、英国、日本など「新自由主義連合」が画策する国家テロから民主主義を守るんだ!
(^_^;)
「もっとみんな仲良く暮らそうよ、そのほうがきっと楽しいよ!」
という考え方が気に入らないとは、実に不思議な自由主義でございます。


--☆---



世間では、自民党総裁選の話題で花盛り。
日本の未来はお先真っ暗。
(^_^;)
『非国民通信』さんのところで、自民党総裁選世論調査表の反社会学的分析がなされておりんす。紹介。
『棄民党総裁選』

かなりいい記事です。するどいです。
しかし、次の首相に誰がふさわしいか?という問いの結果がこれって、どうよ?

一位、小沢一郎 (強いリーダーシップがあるから)
二位、麻生太郎 (強いリーダーシップがあるから)
三位、岡田克也 (政策力があるから)
四位、小泉純一郎(強いリーダーシップがあるから)
五位、小池百合子(世論を喚起する力があるから)

って。
(^_^;)
具体的な政策についての言及がいっさいなし!
つーか、強いリーダーシップとか、世論を喚起するだとか、

日本の政治って、芸能になっちまったんだなー。

(^_^;)

そして。
『多文化・多民族・多国籍社会で「人として」』さんのところで、
『MMRの悲劇!/「19世紀にカエル軍団」に社会民主主義で立ち向かワン!』

宣言がきてます。

========================
自民・公明連立政権が倒れたところで、その後に来るのが、選民思想にかぶれた排外的な極右になびく政権だった、なんてことは、なんとしても阻止せねばなりません
========================


ごもっとも!

ほんっとうに、ここんところはゆずれないわな。

 



見えないことのさまざまな理由(2008.9.12)



「殺しても惜しくない人間を映画に用意しておけば、いくらでも殺せるわけです。みんな殺してもちっとも惜しくないよう仕組むんですね。それをやったらおしまいだ」
  〜宮崎駿〜


「『はじめに鳥ありき』で始まる話をわたしは覚えている。わたしたちは本当にその鳥を探したものだった」
  〜アーシュラ=K=ル=グウィン『夜の言葉』〜


「わたしが夫から手にしたのもそういう愛だった。
だのに、わたしはいつも愛するためには条件が欲しかった。
ああ、神様、こんなわたしでも天国に入れていただけるかしら?」
  〜エイミー=ヘンペル『屍灰に帰したナッシュヴィル』〜



『猫好きに捧げるショート・ストリーズ』というアンソロジーに、エイミー=ヘンペルの短編が収録されているとの情報を得たので、さっそくネット書店BK1に注文。

個人的に伝説のひと、エイミー=ヘンペル!

エイミー=ヘンペルは、もうずっと以前、『ドッグストーリーズ』という犬の物語を集めたアンソロジーの

『屍灰に帰したナッシュヴィル』

という作品に出会って以来、ずっと探していた作家さんだ。
彼女の作品は、この短い作品、一本きりしか、読んだことがない。
『屍灰に帰したナッシュヴィル』は、忘れようにも忘れられない、本当に素晴らしい小説だ。
最後の一行を読み終え、本を閉じ、目をつぶって、しばし感慨にふける。
そうさぜるをえない、そのような時間を自分自身に与えないと、本を読み続けることも他の活動に切り替えることもできない、というほどの感銘を、私は受けた。
このようなものすごい小説をさらりと書いてしまう、この、エイミー=ヘンペルとはなにものか。これが、わからない。
『屍灰に帰したナッシュヴィル』という短編小説は、アメリカで出版された、彼女の短編小説集『生きるためのさまざまな理由』から、犬が出てくる、という理由で取り上げられた小説だった。
エイミー=ヘンペルの他の作品もぜひ読んでみたい。その願いが、ようやくかなった……と思ったら。

収録作品。
『屍灰に帰したナッシュヴィル』

おんなじジャン!!

(^_^;)
犬のアンソロジーと猫のアンソロジーで、収録作品がいっしょとは。
(^_^;)
以下、内容ネタバレあり。
『屍灰に帰したナッシュヴィル』は、ひとりの若い女性が主人公だ。
寒い夜に、夫の靴下を手にはめて、ベッドで眠る。夫はフリーという名前で、彼女を残して死んでしまった。靴下だけじゃなくて、今はもういないパートナーの、腕時計もはめる。
死んだのはフリーだけじゃなくて、犬のナッシュヴィルも、だ。
獣医だったフリーがもっとも愛していた犬で、フリーの後を追いかけるように、逝ってしまった。
ナッシュヴィルは逝ってしまったけれど、彼女は他の動物たち、猫のチャックや九官鳥やゴールデン・レトリーヴァーのカービーの世話をしなくてはならない。彼女は、フリーの愛した動物たちのもらい手を探す。それでも、フリーとナッシュヴィルの想い出がベッドの上に残る。
……というような、甘いせつなさと喪失感で、小説はあっという間にラスト際になる。
ところが、そこで、物語の様相が突然変化する。

彼女とフリーの、結婚記念日がやってくる。
花が届いた。
「愛のバラを」というフリーからのメッセージカードが添付されていた。
花屋に電話をかけると、亡くなったフリーが〈愛の保険〉というサービスをかけていたからだという。
うっかり結婚記念日を忘れるような人がかける保険だと、花屋は説明してくれる。
せつない。
彼女は外にでて、街を歩きだした。
彼女は、乞食に出会った。歩道にしゃがみ込んで、かたわらに犬を座らせていた。
犬はコリー犬で、メヤニ混じりの涙を流していた。〈犬に食べ物を〉と書かれた皿があった。
彼女は散歩の途中でひき肉を買うと、引き返して、そのコリー犬に与えた。フリーと、ナッシュヴィルの想い出に浸りきりながら。
……ふと顔を上げると、コリー犬の相棒の男が、閉ざされた靴屋のシャッターによりかかりながら、こちらを見ていた。彼の足下には、空っぽのブリキ缶があった!
だけど、彼女は、

そのブリキ缶に、何も与えるつもりはなかったのだった。

雨が降りはじめ、そして彼女は、自分自身から逃げるように帰宅する。
……。
これが、短編小説集『生きるためのさまざまな理由』の中の一本、『屍灰に帰したナッシュヴィル』だ。

本を閉じて、さあ、考えよう!


♪この話〜 なんだ〜ろ? ♪
♪どういう〜 意味〜だ? ♪


話題が明後日の方向にいってしまうようだが、さあ、おたちあい。
ロシア人力士が大麻を吸ってた疑惑事件に関連して、うちの家族のひとりが
「ロシア人は恐ろしい」論をぶち始めたので、私は
「ロシア人とかユダヤ人とか朝鮮人とか肌の色が黒いとか大学出だとか男性だとか女性だとか貧民街出身とか、そんなことが重要だと、本当にそう思うのかい? 杉本君?」
と言ったんだけど、私の家族は
「無礼だぞ!私のことを君づけで呼ぶなんて!」
と怒りだしたので、私は
「すみません、杉本検事」
と言ったのだった。
↑上の会話は途中から映画『母べえ』のワンシーンになってます。すみません、なにをやらかしてもお遊戯の域を出ない家族で、しかも、ちっとも面白くなくて。
(;^-^ゞ
えーと。
さらに、

♪この話〜 なんだ〜ろ? ♪
♪どういう〜 意味〜だ? ♪


つまり、この世界は、『屍灰に帰したナッシュヴィル』のラストシーンなのだ。
ん?
論点を笑わせた映画批評でおなじみの『破壊屋』さんが、某国首相フクダさんの退陣挨拶をこのような形で突っ込んだら、結果、bbsが
「伊勢神宮を知っているか知らないか」論で、紛糾した。

また、犯罪事件が起きるたびに、その犯罪者の民族籍や国籍や肌の色などを問題視する一部のひとびとをこのような形で批判すると、bbsが今度は、
「金川真大が在日かそうでないか」論で紛糾した。


またまた『屍灰に帰したナッシュヴィル』!


伊勢神宮を知らないとか、知ってるとか、そんなことはどうでもいいんだよ。
一国の最高責任者が、伊勢神宮が永遠とか日本人が見つめているとか、こんなデンパな妄言を発信する現実に注目せい、と!(しかし、海兵隊は永遠とか、伊勢神宮は永遠とか、こいうひとたち、マジで言ってるんですかね?)
(^_^;)
大量無差別殺人を起こした人物が在日かそうでないかなんて、そんなことはどうでもいいんだよ。人を殺したのは、「個人」じゃないのか?
そして、そもそも、

私たちはどうして民族籍や国籍や性別を問題だと感じるのか?

私たちには、私たち自身の姿が、見えているか? ……見えている部分と、見えていない部分があるんだ。
私自身が私の内面に死角を作る。
それが、『屍灰に帰したナッシュヴィル』だ。本当に素晴らしい、立派な小説だ。
人間は、経験主義を乗り越えることができると気づかせてくれる。

 



ムーアの新作情報!(2008.9.10)



「例え勝利者が死刑制度を支持し、対人地雷に反対せず、報道禁令に署名し、中絶への財政支援を妨害し、貧乏人を街からたたきだし、囚人の数を2倍にし、4つの国を空爆して無実の市民を殺し、少数の複合企業によるメディアの独占を許し、常にペンタゴンの予算の増額を要求したとしても、それでもまだマシなのさ。何よりマシかって? ええと、それはだな……その……何か、本当に悪い何かが起こるよりはマシなのさ!」
  〜マイケル=ムーア『アホでマヌケなアメリカ白人』〜


「自分は感受性の豊かな男性です、というような芝居はやめろ。女たちは見抜いている。自分は「フェミニスト」です、などと言うな。そんな資格はない。単に相手の気を惹こうとしているだけだ。まるでクー・クラックス・クランの連中が「いつも心に太陽を!」なんていうようなもんだ。男というは、いつでもより多くの金を稼ぎ、ドアを乱暴に開き、欲しいものはいつもはるか彼方にある」
  〜マイケル=ムーア『アホでマヌケなアメリカ白人』〜


「そのとき、運命は僕らの背後に迫ろうとしていた。
狂人さながら、かみそりを握りしめて」
  〜アンドレイ=タルコフスキー(映画監督) 〜



姫林檎日記・新作映画情報。

マイケル=ムーア、きた〜!

タイトルは、『ぐうたらの反乱』でいいんですかね? 英語がわからん。



次。
ルーカス=ムーディソン先生の新作『マンモス』のプレスインタビュー画像来てます。



『リリア4エヴァー』以降、映画界の極北で活動してきたムーディソン先生のひさびさのメジャー映画。
プロデューサーには、あのラース=フォン=トリアーの名前も!
あわわわわわ。
あらゆる意味で、すごい映画になるかもしれないぞ。
次。
町山さんのところで、『裸のジャングル』が紹介されていたので、紹介の紹介。
キリスト教右派のメル=ギブソン監督作品『アポカリプト』が『裸のジャングル』のパクりだとは知らなかった。
なぜなら、『アポカリプト』観てないもん。
(^_^;)
あと、『蟹工船』ブームは、映画の方にも飛び火しているみたい。
柳下毅一郎さんのブログのところから詳しい情報をどうぞ。

最近、ひとんちにあがりこんで、大きなデジタルテレビで『父、帰る』というロシア映画を観た。
得ていた情報では、父と子の愛憎を描いた映画と聞いていたんだけど、違いました、

ホラーでした。

血塗られた恐怖政治に社会主義という看板をかかげた、無理を極めた制度がようやく崩壊して、国家がバラバラになり、強い指導者を求めていたら、突然、父親ヅラしたそいつがやってきた、と、そういう話。
強い指導者なんて求めたら、あとがたいへんだ。
日本で言えば、この困難な時代に現れた救世主(イコール暴君)・コイズミ氏、イシハラ氏、ハシモト氏、ソノマンマ氏……うわあ、身に覚えがありまくりだなあ。
(^_^;)

振り返ると、日本の政局ってホラーだったんだ。

強い指導者を求める大衆への警告、とは、『父、帰る』の監督さんは、認めてないけどな。
……。

いや、牽強付会でも何でもなくて、本当にそういう映画なんだって!

このたぐいの映画は、私、得意なんですよ。
ひとつひとつのシークエンスに意味が込められているから、あとは文脈に添って、読み解けばいいだけ。
何度も釣りが出てくるだろ? ああいうのも、ちゃんと意味があるわけだ。
子どもがカツアゲされるシーンとか。強いおやじはカツアゲ犯をふん縛ってくるけれど、子どもたち(国民)にあることを要求する……。かなりわかりやすい。
おやじの言いつけを無視して子どもが釣りを続行するシーンは、テーマ展開的にそうでなければならないし、そこで子どもたちが何を見つけるか、その後のおやじの反応も、必然なのです。
……本当なんだって。
(^_^;)
火の見櫓の高みから眺める千年王国の理想と、地面に落ちているカモメの死骸。このあたりも要チェック。
ソ連時代には、芸術家は国家機関の検閲にかなり苦労してきたから、「大切なものは目に見えないんだよ」という星の王子様の狐のセリフそのままに映画化(または音楽化、小説化、エトセトラ)する技術が異様に発達した経緯があって、その伝統は今も生きていたんだな。
音楽家のショスタコーヴィッチなんか、『革命』と題した交響曲で、ただの一度も実現しないまま、内部から崩壊する革命の理想を、音楽化しやがったからな。

スターリンに芸術を解する力がもう少しあったら、間違いなく銃殺にされていただろう。

自分たちの希望した「革命」によって打ちのめされ、叩きのめされ、深いミルク色の霧の中、あれほど渇望した太陽は昇らず、虚構の朝がやって来る。
すべては内側から腐敗し、完膚なきまでに打ち砕かれ、ロシアの大地に突っ伏し、それでもなお、

胸の内に灯り続ける切望!

ありゃ?
なんか、いつのまにかショスタコーヴィッチの話になっちゃったな。
(^_^;)
まあ、いいや。
交響曲5番の最終楽章。
最初は威勢がいいんだけど、4分目くらいから雲行きが怪しくなってきて……。



ラスト際、引きずるように重く、暗く、力強く響く革命の旋律は、スターリンが違和感を感じつつも突き止めることができなかった、ロシアの大衆の真実だ。
音楽で、これほどのことが可能とは。
……ロシアの民衆は、芸術の力を信じているからな。
こちらは、交響曲10番。



なんか最後はどっちらけたけど、映画情報でした〜!
あ、『暗いニュースリンク』さんのところで、ムーアの最新作の情報が。
今回の映画は、ネット配信されるみたいですね。
日本語字幕がついているDVDは発売されるんかな。





ブリジット=バルドーのようにぃ♪(2008.9.8)



「不公平の中でも、外部から課せられたり、内部にあると間違って決めつけられた限界によって、努力する機会や望みをもつ機会すら否定されることほど深刻な不公平はない」
  〜スティーヴン=J=グールド『人間の測りまちがい』〜


「なぜなら同じ人民であり、国の本質が同じだからだ。ボリーバルが言ったように、スペイン領になる前の米州全体が私たちの祖国であり、その全人民がひとつの国民だからだ」
  〜ウーゴ=チャベス『チャベス!』〜


「あなたはひどい病気だったが、もう元気になって、これからやる仕事がある」
  〜カート=ヴォネガット『タイムクエイク』〜



「いまはまだそれがないとしても、人間はそれを今から感じ、それを待ち、空想し、それに備えねばなりません 」
  〜チェーホフ『三人姉妹』 〜



あるときは教導者。
またあるときは解放者。
そんな私たちのありがた〜い民主化政策。



昔、ブリジット=バルドーという傲慢なまでに“文明的”な女優がいて、以下のような名ぜりふを残した。

「あらゆる文化の違いを認めるが、犬を食べることは認められない。牛は食べるために飼うが犬は違う。文化的な国では犬肉を食べない」

ヴォネガットの言う、「この世の素敵なものはぜんぶ、自分や自分の先祖が貧乏人にくれてやったと信じている」ひとたちによる、ある意味、無邪気な発言だ。
論点を笑わせた過激な映画評でおなじみの『破壊屋』さんが、『12人怒れる男』評で、このあたりのことを鋭く指摘なさっている。

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日本で犯罪事件が報道されると、ネット上ではその犯罪者が在日なのかどうかが重要視される。茨城県で8人を殺傷した金川真大という男がいる。彼の名前を検索すると検索結果のTOPに容疑者が日本人かどうか?という知恵袋の質問が出てくる。そんな質問がTOPだという事実も酷いが、回答にはかなり酷い文章があったりする。
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これから日本では裁判員制度が始まる。その時に日本人は『12人の怒れる男』の主人公のように冷静で偏見の無い視点を持つことができるのだろうか?最初に挙げたようなネット上の反応を見ると、僕は「こんなんでちゃんと外国人犯罪や、事情が複雑な事件に対処できるのかなぁ?」といつも不安になる。国民が裁判に参加するということは、部落出身者や在日外国人に対するヒステリックで差別的で攻撃的な反応も裁判に持ち込まれるのかもしれない。もしかしたら人々の差別意識がそのまま判決に反映されるかもしれない。
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歪んだ体験主義が、冷酷なダーウィニズムの根拠となる。
あなたが身をもって体験したことが、あなたの傲慢さを正当化する。
実際のところ、あなたは見たんだし、出会ったんだし知ってるんだもんな。

「あの犯罪者は在日だった。そう言えば、俺の知ってる在日の男も……」

18世紀のヨーロッパ人たちも、そうだった。
マジで魔女を見た、魔女と出会った、魔女を知っていた。

人間狩りだ〜!!!(by『デビルマン』の雷沼教授)

大多数の国民が、ブリジット=バルドーなみに文明化されているわしらの国では、ヤマト民族を劣等種族から守るために裁判が行われることになるんだろうな。
いや、マジで心配してるのよ、わしは。

結局、自分たちがモノゴトの基準だと思い込んでまったく疑わない、

意識することさえしない、自分たちの「当然」「常識」を土台とした危機感だけをつのらせて、

グルジアを見るロシア、のような感覚で近隣アジア諸国を眺める。

♪我々は〜 支配者な〜のぉかぁぁ♪

鉄腕アトムを苦しめ続けたのは、人間の無知ではなく、人間の傲慢さなのだった。
あ、鉄腕アトムを知らない? 古いSFマンガなんだけど……。ワシも歳だなあ。
(^_^;)
自分たちの冷酷さに気がつかないことほど、冷酷なことはない。
その冷酷さの一部分が、ブーメランのように戻ってきて、わしらを直撃する。
その痛みだけを問題視して、今さらながらに『蟹工船』を読みふける現在のわしらだ。
……何が言いたいかというと、だ。
自民党の政治に苦しめられている状況にようやく気がつきだしたワシらだが、投票したのもワシらだからな。

どうしてこうなったのか、そこのところを胸に手を当ててようく考えないと、政権与党の看板だけが変わるだけで他にはなんも変わらないということもあり得る。

もっとはっきり言うとだな、私たちは犯罪者なんだよ。ぶっちゃけ。
気に入ろうが気に入るまいが、納得しようがしまいが、それは皆さん次第だけど、本当のことなんだから仕方がない。

「犯罪、やめます!!」

私たちが自分たちの作りだした地獄から抜け出すには、そう宣言して、そちらの方向に歩きだすしかない。
なあ、

某ハシモト府知事!

『橋下知事、職員の仕事ぶり「隠し撮り」国際児童文学館』


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 大阪府の橋下徹知事は6日、府が財団法人に運営させている国際児童文学館(吹田市)で、職員の働きぶりや展示の工夫などをチェックするためにビデオの隠し撮りをしていたことを報道陣に明らかにした。府の財政再建案には文学館の廃止が盛り込まれており、知事は「あれだけ(存廃を)大議論したのに努力の形跡が何も見られない。府議会が求めればビデオを見せたい」と語った。

 知事によると、私設秘書にビデオカメラを持たせて8月中の2日間、存廃の論議が進む複数の公の施設を「覆面リサーチ」したという。文学館以外にどこを調査したのかは明かさなかった。

 文学館のビデオを見た感想として、「マンガばかりが並んでいるから『マンガ図書館』に名前を変えるべきだ」「職員にやる気がない」と厳しく批判した。
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「職員にやる気がないと厳しく批判」じゃねえよ、ストーカーかよ。
『1984』かよ、『未来世紀ブラジル』かよ。
(^_^;)
北朝鮮や中国のことを心配する前に、鏡で自分の顔を見たほうがいい。

まずは、本を読むこと!

私自身は実は読書が大の苦手なんだけど、やっぱ、本を読まないとだめみたいだわ。
暗闇の中を進むための、ロウソクの光、みたいなもんだよ本は。
つーわけで、グールドの『人間の測りまちがい--差別の科学史』が文庫本になったので購入。
『人間の測りまちがい』って、すごくいいタイトルだろ? ちょっと高いけど、実際、いい本だ。


--☆---



その他、最近購入した本。

『パワー』 ファンタジー小説
『記憶に残っていること』 短編小説集
『教育立国フィンランド流教師の育て方』
『私たちはいかに「蟹工船」を読んだか』
『チコときんいろのつばさ』 絵本
『月刊プレイボーイ10月号』 木村元彦氏によるオシム・インタビューあります
『のだめカンタービレ21巻』 マンガ
『現代思想の遭難者たち』 マンガ

ル=グウィンの最新ファンタジーのタイトルは、『パワー』だ。
主人公は身分が奴隷の男の子。

タイトルがパワーで、主人公が奴隷。読み手の想像力をかなり必要としそうな感じ。

今、ちびちびと読書中。
いまのところ、含みの多い……なんて言うかな……写真用語で言う「被写界深度が深い」小説だ。

雄大な物語世界の全体にピントが合っていて、これは後期の彼女の特徴。
支配者の子どもたちと非支配者側の子どもたちが同じ教室で勉強をするシーンがあるが、一筋縄でも二筋縄でもいかない、かなり微妙なシブイ線をついてくるので、読んでいて楽しくて仕方がない。
引き合いに出して申し訳ないが、『ハリー=ポッター』の五人組制度かカースト制度を無批判に導入したような学校のクラス運営と比較するのも面白い。

社会に対する視線の鋭さ、科学的と言ってもいいような確かな精度、未来への洞察、なによりもベクトルの違い、というものを、比較してみてください。

話はどんどんずれるが、『ハリー=ポッター』の魔法学校の子どもたちが、倒さなくてはならない相手は、「あの人」ではなくて、学校のクローズドな競争原理と冷徹な階級制度だと思う。
ハリーたち魔法学校の子どもたちはクラスごとに選別されて、モラルも何もないような競争に明け暮れる。教育効果なんて何もない。競争して、点数が加算されて、重ねた点数によるクラスの順位が年度の終わりに発表されたら、それっきりだ。

達成感(もしくは敗北感)、というものはあるかもしれないが、

教育的な成果、は、まったくのゼロだ。クラスごとの最終得点とともに、風に消えて、きれいさっぱり何もない。
ファミリーが一体となって外部の敵を打ち倒し、競争に勝利する、という体験そのものが教育なのだ、ということなんでしょうけどね。
(^_^;)

子どもたちを選別するのは、モノを言う帽子だ。

「おまえは主人公のクラス行き〜。おまえは敵役のクラス行き〜。おまえは……」

「士農工商エタ非人〜」

クラスごとにわかれたら、24時間365日、仁義なき戦いが続く(クラスごとの結束は固いが、外側に対しては互いに、嘘をつく、教師にちくる、罠にはめる、ズルをする、教師のご機嫌取りをする、相手の苦境をほくそ笑む、なんくせをつける、ケンカする、イヤミを言う、その他ありとあらゆる不道徳な行為に走る)。

ハリポタ作者さんにとっての社会的モラルは、どうやら、主人公ファミリーの外側だけに適用されるものだから

非難されるのはいつだって、ハリポタファミリーの外側の人々だ。
かわりに、ハリーたちはいつも、「外側からの脅威」にさらされ続けている。
降りかかる苦難。読んでいて、ドキドキするよな?
ハリーはクラスメイトを守りながら、学校全体に「良い影響」を与え、教導しつつ、「外部からの脅威」を退けなくてはならない。
脅威。
困難。
しかし、退けられるべき脅威、乗り越えられるべき困難とはなんなのか?
あれだ、イシハラさんの言う三国人だ。ブッシュさんの言う、テロの脅威だ。

♪我々は〜 支配者な〜のぉだ〜♪

私は読んでいて絶句したわけだけど、皆さんはどうですか?
ハリポタの作者は、正味、自分の書いていることがよくわかっていません。
作者さんは、漏れ聞く情報によると、人間的にかなりいいひとみたいだし、無邪気なんだと思う。

まあ、ブリジット=バルドーくらいには。

(^_^;)
ともかく、
「○○クラスのあいつは、悪党だ、俺は体験した……」
そういう体験主義以外のリアリティーは、ハリポタの作者さんは提供できないのであります。

なんか、けちつけまくりで、ファンの人は気を悪くするかな。
本当に本当に、申し訳ない。
けれど、世界中の子どもたちがこんな本を読みふけっているのだと思うと、私は恐ろしくて仕方がないんだよ。
つーか、ハリポタ読んで、誰も何も感じないの?

 



短編アニメ『田舎医者』(2008.9.6)




「断食芸人は少しばかり顔を上げ、まるでキスをするかのように唇を突き出し、ひとことも聞き漏らされたりしないように監督の耳もとでささやいた。
「自分に合った食べものを見つけることができなかった。もし見つけていれば、こんな見世物をすることもなく、みなさん方と同じように、たらふく食べていたでしょうね」
とたんに息が絶えた」
  〜カフカ『断食芸人』〜


「神よ、願わくば私に、変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とを授けたまえ」
  〜カート=ヴォネガット『スローターハウス5』〜


「何を笑うかによって、その人の人柄がわかる」
  〜パニコル〜



ずっと以前に書いたまま忘れていた日記を見つけたので、アップしておきます。
あ、その前に、フクダさんが辞任したそうですね。
その後のテレビ報道は自民党総裁選一色。
シオドア=スタージョンのSF短編『たとえ世界を失っても』の一節が頭の中を駆け巡るよ。

「頂点、権力が位置する場所には、盲人が腰を下ろしている。自分の目を少しずつ曇らせてゆくことによってのみ仲間の上に立つことができる、そんなふうに世の中ができているからだ」

(^_^;)

『世界に片隅でニュースを読む』さんのおっしゃるとおり、

「2代続けて衆院の総選挙の洗礼を受けていない内閣が続いたことは、議会制をないがしろにした愚挙であり、もはや憲政史上の完全な汚点」

なわけでございますが、ワシラしがない市民にとってもっとも深刻な問題は、引き継ぐのがアソウさんだろうが、コイケさんだろうが、何もかわらないという事実。
(^_^;)
それどころか、ここだけの話、民主党のオザワさんが引き継いだとしても、何も変わらないんだぜ。
いや、まじで。
これまた、『世界に片隅でニュースを読む』さんの言う通りで、

=====================
「現在の民主党はあくまで「自民党でない」ということ以外に存在意義がな」い
=====================

選挙後に待ち受けているのは、

「大連立」という名の大政翼賛会政治。

(^_^;)
結果、ねじれ国会とやらは解消するかも知れんが、それと引き換えに、議会制民主主義制度の利点をぜんぶ捨て去ってしまう、という暴挙を……やっちまうんだろうなあ。テレビと新聞の大々的なプロパガンダ支援を受けて。
国民には、投票する自由はあっても、未来を選択する自由はない。
だからこその自民VS民主。だからこその二大政党制だ。
あわわ、また本当のことを書いてしまった。
(;^_^ A
まあ、お先真っ暗な未来でも、言うことは言っとかないとな。
言いたくても言えなくなる時代は、すぐそこだ。

またまた、『世界に片隅でニュースを読む』さんのところから引用。

=====================
「実のところ一番心配なのは、この1カ月政局にばかり目を奪われている間に、いろいろな社会問題が見過ごされることであり、その観点からも今後の自民党総裁選やそれに関連する政局の動きはできるだけスルーしつつ、「シラケ」ムードを醸成するのが賢明だろう。」
=====================

テレビ画面の向こう側で、連中は歌ってやがるのだ。

♪あほが見〜る〜 ぶたのけ〜つ〜♪

日本って、つくづく暗い場所だよなあ〜。
自民党の総裁選もその後に見据える総選挙も、何もかもがカフカの『田舎医者』だな。
だまされた! だまされた! ……この連中はいったい何を期待しているのか。


--☆---


山村浩二氏のアニメーション作品『田舎医者』をDVDで鑑賞する。
カフカの短編小説が原作だ。

======================================
田舎医者は困り果てていた。すぐにでも患者のところに行かねばならない。そんな時、ふと目の前に突如あらわれた馬子。馬に乗ると一瞬にして遠く離れた患者宅に到着した。何か困ったことが起こると、神様は私に救いの手を差し伸べてくれる??。暑く湿った部屋。すすり泣く家族。脇腹に薔薇色の傷を咲かせた少年。馬子に手篭めにされてしまった女中ローザ。だが、どうしようもない出来事ばかりを前にして私は何もできない。私は医者だ。私は無能だ。自分を救うために自分を騙し、こうして私はまた絶望の朝を迎える・・・・・・。
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以上が公式サイトからコピーしたあらすじ。
20分ほどの作品を最後まで観ても、なんのこっちゃやら、よくわからない。
わからないので、弟と話しあう。
弟によると、「少年の脇腹のバラ色の傷(致命傷)」「手込めにされるローザ(←バラの意)」など性的なほのめかしを繰り返しながら、最終的には、騙された、欺かれた、おふくろよなぜオレを産んだ、

どうして生まれてきちまったんだろうなあ!

エトセトラ、エトセトラ……という嘆き節のお話なんだそうだ。
(;^-^ゞ
ああ、そうか。なるほど。
施川ユウキせんせの『サナギさん』に出てくる赤ん坊が

「先が思いやられる、先が思いやられる」

と泣いている、あれか。
(^_^;)
こういうお話は、わかってしまうと、わかってしまったぶんだけ、興が冷めてゆく。
「わかにりくさ」が表現しうる真実の重さ、というような作品を私はいつも期待してしまっているから、「大人がニヤつく軽いジョーク」みたいな種では、帽子の中からハトが出てきてもウサギが出てきても心は浮き立たない。
しかし、なんにせよ、わかるのはいいことだ。



弟よ、ありがとう。

 



『低開発の記憶』の記憶(2008.8.31)




ヒンケル ユダヤ人を監視して、ゲットーに追い込んで、窒息死させてやる! ユダヤ人め! ユダヤ人め!
 通訳 総統は今、ユダヤ人に言及されました」
   〜チャーリーチャップリン『独裁者』〜

ヒンケル 今、われわれ優秀なアーリア人はトメニアを甦らせた。次なる目標は欧州だ。まずフランス、次にフィンランド、最後はロシアに、電撃戦で攻め入るのだ! ヨーロッパ全土がトメニアに降伏し、私が新しいリーダーになる! そして、世界征服をして、総統になるのだ! トメニア万歳!
 通訳 結論として、総統は心から世界の平和を願っておられます」
   〜チャーリーチャップリン『独裁者』〜


「働こうとしない人間や働きたくても働けない人間を憎むように、また、それとおなじ理由で自分自身をも憎むように教育されてきました。その残酷な常識は、今はなくなったフロンティアのおかげともいえます。しかし、新しい時が近づきつつあります。それがもはや常識でなくなるときが。それがたんに残酷であるだけのときが」
 〜カート=ヴォネガット『ローズウォーターさんあなたに神のお恵みを』〜



気力をふりしぼらないと風呂にも入れないほどグロッキーになので、ちょっと休むと思います。
(;^_^ A
シャバの暮らしはどこでも大変とは言え、「リンチ国家日本」のせちがらさは、これはもう格別。
今度は、ダンスを踊った女の子をよってたかっていじめ倒し。

ぶっ!!!

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女子大生2人が広島の「原爆ドーム」をバックにダンスを披露。その様子を「ニコニコ動画」にアップしたところ、2人のブログが大炎上した。踊った曲がアダルトゲームのものだったことや、下着が見えるコスプレ姿が非難の元になった。2人は動画を削除しブログで謝罪したが……。
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なんなの、これ?
(^_^;)

ダンス踊った女子大生をいじめてどーすんだよ、本当に被爆者のことを思うなら、やることほかにあるだろ!

原爆症認定起訴で、国と戦っているひとたちを応援するとかよ!
http://genbaku.blog46.fc2.com/
しっかし、義憤にかられるままに、「良識」の命ずるままに、とことんまでいじめるのな〜。
何だろね、この感じ。
日本の社会問題はピンからキリまで多種多様だけど、オチは全部おんなじ……つーか、反応が一種類なのな。


A.きみは【●●】を信じないのかい?

B.わわわ、信じるからぶたないで!

【 】の中身は、神様でも天国でも国家でも民族の誇りでもモラルでも歴史でも革命でも改革でも自己責任論でも流行でも会社でも学校でも、なんでも入れてちょうだいな、と。
【 】の中に代入できないのは、天気予報くらいのもんだ。だから、朝のお出かけ前に、傘のマークが出てなくなって、傘持ってった方がいいぜ。
突然、にわかにかき曇り、どこかに石版持ったチャールストン=ヘストンがうろついてるんじゃないか、というくらいの雷雨に見舞われる恐れがあるからな。
しがない一市民が、軽率のそしりを受けてボコボコに。調子に乗ってボコボコ。うかつさをさらしてボコボコ。ひとこと多くてボコボコ。いたい発言でまたボコボコ。失敗してボコボコ。くじけてさらにボコボコ。
……悪意はどこにあるんだよ、って話だ。
悪意はもしかしたら、振り返ったロトの妻を塩の柱にした、あちらさんの側にあるんじゃないか、という……。

(^_^;)
で、今回の件についてだが、いじめ好きな国民性をタナにあげるとして

“騒動を起こしたがって”いたのは、いったい誰なんですかね?

(^_^;)
あ、ごめん、ぶたないで。

まるで全体主ぎグエウモギャ……。


--☆---



『MARYSOL のキューバ映画修行』さんのところでまぼろしの傑作映画『低開発の記憶』がDVDで発売になるという情報が。
まじですか!
続編画像も紹介されていたので、こちらでも。



もういっちょう!



P=K=ディックとタクシードライバーがフュージョン!

すごく観たいです。
配給は、『今夜、列車は走る』を「ひとり配給」した伝説のあの人です。
では、気合い入れて、寝ます! さばら!




ナデシコジャパンと神風ジャパン(2008.8.29)




「懐疑する精神も、不思議さに驚嘆する感性も、鍛え上げなくては使えない技術である。この2つが児童生徒の心の中で仲良く結婚することこそ、公教育の主要な目標とされるべきだろう。そんな慶事が、メディア、とりわけテレビに描き出されるところを見たいものだ」
  〜カール=セーガン『科学と悪霊を語る』〜


「人間の文明はその臆病さとその卑屈さと屈辱の上に築かれているから、人間はそれを自己の尊厳だと言っている」
  〜バーナード=ショウ『人と超人』〜



『ジェンダーSF研究会』なるサイトを発見。

こういうサイトがあるなら、ぜひ、連絡して欲しかった。

(^_^;) ワシのことなんて知らんわな。

アーシュラ=K=ル=グウィンの『なつかしく謎めいて』の書評。

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この本でル・グインは問題を提起しようとしているように見えまた実際に提起しています。
 そしてそれは「ゲド戦記」での男女性差から一歩進んで社会的格差にまでおよんでいます。

 しかし、登場人物は先に書いた通りそれに対して何も行動を起こしません。それは問題を解決するのは外からのものではなく自分たち自身が問題に気付かなければならないということでしょう。
 そのことも含めル・グインは私たち女性に対しても今ある問題を直視するように言われている気がします。
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シオドア=スタージョンの『ヴィーナス・プラスX』の書評

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わたしはこの小説に二つの衝撃を受けた。ひとつはこの、ジェンダーを扱った小説が一九六〇年に書かれたということ、そしてもうひとつは、見渡せばいくらでも見つかる、ありふれた「男女差別」が、実は奴隷制、民族虐殺、外国人嫌悪(そして、それらが引き起こす戦争や殺人)と根っこは同じだとはっきりと述べていることである。
======================================

世間ではほとんど知られていないが、この2作品は傑作中の傑作です。
もう耳にタコができてそれが破れるくらい繰り返し書いているけれど、もっとSF読んだほうがいいよ。
でないと、

21世紀になってなお、リアル『蟹工船』やらにゃあならんような社会が現出するはめになる。

日本の近未来は「宇宙戦艦 蟹工船」だよ、いや、冗談抜きに。


--☆---



左翼の仲間割れ、ではなくて、若者たちの熱い議論ふたたび。
『想像力はベッドルームと路上から』さんとこから
『『なでしこジャパン』ってそんなに変?』

ちなみに、『非国民通信』さんの元ネタはこちら。
『私も疑問を感じます』

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なぜ日本を代表するものが「なでしこ」、あるいは「サムライ」でなければならなかったのかどうか、随分と恣意的な選択ではないでしょうか。女子代表がナデシコの集団だったから「なでしこ」? 選手の特徴から考え出されたネーミングであればとやかく言うことはないのですが、それにしても曖昧な観念をつけられたものです。むしろ本当の理由は「女性はナデシコであるべき」という価値観の支配であり、それが日本代表にその名を与えたのではないでしょうか。サムライこそが日本に相応しい(サムライでない者は認めない)と考えるのと同じように、「なでしこ」こそが女子代表に相応しいと……
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とおっしゃる『非国民通信』さんに対して、

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選考の過程や選考委員内部でどのような話が行われたかは知る由もありませんので、ある種の恣意性が発揮された可能性を否定することはできません。商業的な要請もあったでしょう。しかし、この経緯を読んで『本当の理由は「女性はナデシコであるべき」という価値観の支配であり、それが日本代表にその名を与えたのではないでしょうか。』なんて皆さん思います?なんというか、トンデモ陰謀論な感じがするのは僕だけですか?

これ、その言葉の持つ静的な意味だけに注目し、時代や文化、使用される文脈などによって変化する動的な意味を完全に無視した、ダメな言説の典型例だと思うんですよね。
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という突っ込みが、『想像力はベッドルームと路上から』入ったと。
(^_^;)
では、ナデシコジャパンという全日本サッカー代表チームの愛称において、「時代や文化、使用される文脈などによって変化する動的な意味」を重視する言説って、どういうものだろう?
横からあれこれ口を挟むのはお行儀としてどうか、とは思いつつ、ひとつ疑問に思うのは、たとえば「ナデシコジャパン」という愛称が、

「神風ジャパン」

とか

「靖国ジャパン」

とかいう愛称であった場合、『想像力はベッドルームと路上から』さんは同じことをおっしゃるんですかね?
いや、同じことをおっしゃっても、かまわないんですよ、ぜんぜん。
(;^_^ A
しかし、「イタリア人が「アズーリ(Azzurri)」という愛称を口にするとき、そこには言葉にできないほどの深い深い感情と愛着が込められてい」るなんて話を引き合いに出すのは、どういうことなのかな、とは思う。
剥き出しになった幼児性とその無自覚さは、日本人の専売特許じゃないのは確かなのかもしれないが、個人的には

クソの山に手を突っ込んでしまったような、いや〜な気分になりますね。

イタリア人よ、お前もか! という暗い気持ち。
(^_^;)
「時代や文化、使用される文脈」ごしに全体を見通せば、結局、ナデシコがどうだ、サムライがああだと言う前に、

「女性サッカーチームの戦い」という商品をもっとも手際よく売るためのシンボリックな愛称が必要だ、というあざとい根性

にすべてが彩られていることに気がつく。
……まあ、ネット上の意見はこのようにどんどん拡散し、収拾がつかなくなるものです。つーか、部外者が実にすまんこってす。
(^_^;)
愛称を公募し、選考委員には監督や選手も名を連ね、会議ののちに、「なでしこジャパン」という愛称が決定した、という経緯も含め、「すべての人間的価値を貨幣の排泄物とみなす」ことの、どうしようもないうさんくささ。
「大和撫子」という言葉の本来の意味はほとんど関係がない、そんな辛気臭いことを考えてもいない、どうでもいい、「みんなでパ〜っと」というノリのようなものに名前を付ければ、「ナデシコ(パ〜っと)ジャパン(みんなで)」となる、というくらいのものだ。
少し前には
「サムライ(みんなで)ブルー(びしっと)」
というのもあったな。
こういうものを公募し、公募されるままに応募する。
この、ぬぐいがたいうさんくささ。
(^_^;)

あの期待。
この感動。
熱狂。
涙。
秘話。
あれもこれもパッケージングして、誰もが乗り遅れることなく、パ〜っとする。もしくは、ガッとなる。あるいは、胸を熱くする。

天皇陛下ばんざ〜い! じゃなかった、頑張れナデシコジャパン!

(^_^;)
そして、結局、私たちはさまざまなものを選手から取り上げて、感動をありがとう、などと言いつつ、テレビ越しに「スポーツ芸能」を楽しむのだ。
その上、選手達はテレビの向こう側から
「みなさんのおかげです」
なんて言うのね。
(ρ_;)
まさに、靖国化だと思う。

ぎゃああ〜! やめてくれ、ワシには個人的に耐えられん!

それと、もうひとつだけ言っておくと、それが「日本代表」でも、なんでもかんでも「大衆のニーズに応える」という大義名分の元に、玩具にしていいというわけでもない。

と、ここまで書いて、新しいニュースが。
日本サッカー協会の犬飼会長が、日本代表監督(男性の方)の岡田監督に、このような要望を出したそうな。

1.「ホーム、アウェーは関係ない。1日も早く勝ち抜いてほしい」
2.親善試合の非公開練習は廃止 「代表もファンと近くならないといけない」
3.親善試合のキャッチコピーを打ち出す 「何を見てもらうか打ち出さないと、ファンの方にきてもらえない」

親善試合にも愛称がつくのね。ははあ。

……とまあ、私は私で、あれこれ感じたことを感じたままに放りだすように言ったわけだが、ぶっちゃけ実際のところは、ナデシコの愛称と言葉の動的な意味だとか、そんなこと、どうでもいいことなんですわ。
いや、まじで。
大切なのは、つまり、押さえておくべきなのは、例えるなら、こういうこと。
アメリカの民主化を本当に願うなら、

マケイン、オバマのどちらも打倒しなくちゃいけないんですよ。

人類が幼年期を卒業するには、「ナデシコ」も「アズーリ」も---言葉の意味が動的に変化しようがしまいが---、等しく子どもじみているということに気がつくべきなんですよ。
名前だとか愛称だとか、そんなものは目くらましに過ぎないんですよ。
さ〜あ、例によって、議論をまぜっかえした狂ったことを言い出したぞ〜っと。
(^_^;)
……私は、正直、選手がかわいそうだと思うね。
メディアに食い尽くされて、内容がすっぽりと抜け落ち、残るのは、メダルと愛称だ。
うまく言えないんだが、メダルと愛称のおかげで、本質的な部分がすっかり台無しになってる。
いや、もう、選手があわれ。

どうして名前をつけずにおいておけないのか。

打倒マケイン。
打倒オバマ。


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