虹色の林檎の夢が木箱に鍵をかけられて


虹色の林檎の夢が木箱に鍵をかけられて
理沙の机の下にうち捨てられている
思い出の作り出す影どもが
あの美しい希望を衣服のように
着飾って
人々の前でまだ心があるかのように振る舞っている

理沙のハートのかすかな鼓動
トク……トク……トク……
暗闇のなかで横たわり静かに脈打っている

もしも
時間をゆっくりと遡ることが出来たら
あの輝きを写真に撮り
もう一度みんなとともに眺めてみたい
木箱のなかでおが屑にまみれているあの写真たち
誰にも知られず
それでも夢は決して死ぬことはない


2001年1月27日

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