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        福島第一原発で全電源喪失事故が起こりました。3月11日のことです。 
        冷却材喪失事故が起き、格納容器の圧力が2倍に達し、炉心溶融が起き、水素爆発で建屋が派手に吹っ飛びました。途方もなく高まった圧力によって原子炉の爆発の危機が迫り、それを避けるため、究極の選択として、意識的に放射能を待機中に撒き散らす、いわゆるベントが行われました。 
        テレビ報道を見て、激しいショックを受けた他人ちゃんの目の下には、クマができてしまいました。 
        他人ちゃんの目の下のクマは、漏れ出した放射能のせいではけっして……ないとは私は言い切れません。 
        しかし、急性障害が出るほど大量の放射能を他人ちゃんが浴びたとは考えにくいですから、おそらく放射能のせいではないだろう、と想像はできますが。 
        なんにせよ、他人ちゃんが、その心に、受け止め切れないほどのショックを受けたことは間違いありません。 
        そうした意味では、少なくとも他人ちゃんの心身において、ただちに影響があったのです。 
        いっぽう。 
        他人ちゃんが心神喪失の一歩手前でふらふらになっていたころ、私は、後藤さんと田中三彦さんのインターネット記者会見にかぶりついていました。 
        http://www.ustream.tv/recorded/13269017/highlight/156880 
        おふたりの技術的な解説とはまったく別に、このせっぱ詰まった感、激しい動揺を抑え切れない感というものを、事態の深刻さの決定的な証拠として、当時の私は確認していました。 
         
        2011年7月10日 
         
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