*姫林檎日記-細腕出張スペシャル*

雑誌『望星』に取材していただきました。

社長玲子に代わって、純からのお知らせです。
フリーライターの藤宮礼子さんから玲子が取材をうけまして、その内容が『望星(ぼうせい)』という月刊誌に載りました。
『望星』は、東海教育研究所発売、東海大学出版会発行の雑誌です。
東海大学出版会! これまた、ものものしい!
『「絵本を大人が読む時代」〜その出会いと“癒し効果”を考える〜』というのが取材内容というか、記事のテーマであります。
玲子・私・航志の3名が、それっぽいことをチョッピリしゃべっております。
しかし、私と弟が取材をうけたということは、絵本好きな成人男性、がやっぱり少ないのでしょうか? そんな絵本好き独身男性の貴重な意見(?)が読めるということで、『望星(ぼうせい)』、みなさま、一冊いかがでありましょう? 絵本以外にもたとえば、『自殺者3万人時代を考える』というような、思わず読まずにはおれない内容の記事も掲載されております。
ホームページアドレスは、http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/
雑誌コード番号は、「08135-10」です。
記事の内容は、ライター・編集者の藤宮礼子さんのサイト『Owl Street Journal』でお読みいただけます。
さて。
話を絵本に戻しまして。
しかし、取材をうけるにあたって私、考えたんですが、絵本を読む大人たちの多くは、絵本に癒しを求めてらっしゃるのでしょうか。
私自身はどうなのかというと、癒し効果というものを期待して絵本を開いたりはしませんが、それは私個人のことで、癒し効果を肯定も否定もしません。絵本で癒されるという人もいるのかな? という感じですね。
絵本は非常に多様なものですから、無理やり一般化することはできないでしょう。
みなそれぞれ、なーんて言ってしまうと身もふたもないですが。
じゃあ、今度は、私にとって絵本とは何なのか? と自らに問うてみる。と、これはこれで、またむずかしい。
「読んで面白いもの、興味を引かれるもの、それが私にとっての絵本」と答えると、いちばん正直なんでしょうけど、じゃあ、面白いってなんだ? と、また考えちゃう。
う〜ん。何なんでしょうかねえ。
私が絵本に魅かれる理由をひとことに要約すれば、“想像力をどう扱っているか”となるような気がするんですが、えらく抽象的な物言いだなあと、言った本人も思います。
まあ、開き直るわけじゃないけれど、絵本はもともと、極めて抽象的なものなのですよ。想像力なんてものを扱うかぎり。
えーと。
癒す癒されるというテーマにそって、私なりの意見を披露すれば、いわゆる大人たちは、「現実」というやつにうんざりしてるじゃないかと思うのね。
あれも「現実」これも「現実」。そこで問題になるのは、「現実」がうまく機能しているか、私たちに幸福や希望をもたらしているか、ですよね。「現実」だから受け入れろと言われても、そこに希望がなくては、今日を生きる理由がない。
さて、どうだ。
う〜ん、「現実」には(苦笑)、とてもじゃないけれど、うまく機能しているなんて言えませんよね。
幸福ですか? うんにゃ。
首を横に振ることになるわけです。
“癒し”なんて言うと受動的で後ろ向きに聞こえるけれど、絵本ブームというものも、“「現実」がうまく機能していない社会におけるいち現象”ととらえることは、可能かなあと思う。
絵本を、現実を乗り越える力、もしくは現実を作りだしていく力そのものと仮にとらえてみれば、大人たちが絵本を手に取る理由が見えてくる気が、私はします。
新しい現実の必要性を痛切に感じている大人たちの姿が、見えてくる気がするのであります。
絵本は、想像力をその内部であつかうことによって、「現実」をいともかんたんに乗り越えてみせる。こうしてみたほうがよくないかい? こうしたほうが楽しいよ! 絵本はそう語りかけてくるわけです。
……少々こじつけ気味でしょうか?
(;^-^ゞ
雑誌の取材ということで、あらためていろいろと考えてみた次第です。
まあ、私などが、絵本好きの成人男性の大多数の意見を代表できるとは思わないんですが、ひとつの意見ということで。

 



2004年9月6日  溝江純


玲子のプロフィール

溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。

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